三島 水辺の文学碑



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 水辺の文学碑 《三島市みずかみどうり(水上通り)》

               水よ輝け    (菰池公園内)
水は人の心へ 時を連れて流れつづけ 街の風をあざやかに
水よ輝け 曲碑

山の空を美しく染めた 水よ輝けあたらしい街に
水よ歌え永遠の空に おまえが記した物語を 
ゆっくりと読もう おまえに預ける物語を  私たちもつくる

水はひとの暮らしへ 四季を写し流れつづけ 夢を愛をさわやかに
包み育ていきいきと光る 水よ輝けのびてゆく街に
水よ輝けふるさとの山に おまえが記した物語を
ゆっくりと読もう おまえに預ける物語を 私たちもつくる

                             作詞 伊藤アキラ  作曲 森田公一
 

 五所平之助   藤岡武雄   大岡 信   平井源太郎   宗祇法師
    正岡子規   十辺舎一九   若山牧水   司馬遼太郎   太宰 治
    小出正吾   穂積 忠   井上 靖

三島水辺の文学碑は白滝公園南側通り[水上(みずかみ)通り]桜川に沿って点在する文学碑です。
 画像クリックで拡大表示
桜川の概要   延長4150メートル(三島市管理)

菰池や白滝公園を水源とする桜川は、三ヶ所用水とも呼ばれ、旧三島宿、旧錦田村字中、旧中郷村字中島の三ヶ所の農業用水となっています。
桜川は、農業用水としての利用が主であるため、横浜ゴム付近で複雑に分水されていて、それぞれ中、藤代町、森永製菓南の耕地などへ導水されています。
流末は大場橋付近で暗渠になっており、梅名橋付近から御殿川に流れています。
また、白滝公園付近には”はや”が生息しており、川沿いを歩く人が思わず足を止めて川の中を覗き込んでいる風景に出くわします。
白滝公園は昔から「水泉園」と」呼ばれ、富士の湧水にふさわしい地名として市民から親しまれています。      三島市

    
五所平之助 碑

           五所平之助

   合掌す 三島ざくらの 満ち咲けば   (歌碑ー菰池公園内)

五所監督と三島の縁は、昭和19年(1944年)42歳で、三島出身の村上富美子さんと結婚をしたときにはじまります。
昭和18年に東京湯島天神の自宅が焼失した後、伊豆長岡町に疎開し、戦後大仁町に移り同28年頃、三島市六反田(現、緑町21番28号)に転居、亡くなるまでの約30年間を市民として三島に親しむこととなります。
昭和39年に三代目の日本映画監督協会理事長に就任し映画の育成に努め、同41年紫綬褒章を受章します。この年三島北高生の家族をモデルとした「かあちゃんと11人の子ども」が撮影され、大家族のたくましくユーモラスな生活の映像が多くの人々に感動を与えました。
多くの三島市民との交流の中から「水と緑と文化の町」三島を記録に残そうという気運が生まれ、五所氏の演出で「わが街三島ー1977年の証言」が撮影されました。三島の湧水と水質をテーマとし三島のシンボル的な作品です。
また「五所亭」と号して多くの俳句を残し、「五所亭句集」が出版されています。
代表句には「合掌す 三島ざくらの 満ち咲けば」「住み古りて伊豆もふるさと今朝の春」「わが町に富士白く晴冬終る」などがあります。
昭和56年(1981)5月1日79歳で逝去、同月17日に三島市公会堂で三島市民葬がいとなまれました。(プロフィール 石碑より)

藤岡武雄 碑
「あるご」創刊15周年
記念建碑。
                          藤岡武雄

             わが庭に 降り積りたる 白雪は
                  真向かう富士の 上までつヾく
   
                             歌人 1926年生
山口県に生まれ、昭和37年より三島に在住。
日本大学教授として勤務。斎藤茂吉伝記研究第一人者。文学博士。近代文学専攻。三島市教育委員会委員長。文学講座の講師。全国短歌大会の選者等、数々の文化活動に尽力。
昭和15年(14歳)より作歌、「心の花」「地表」を経て、昭和58年4月歌誌「あるご」創刊主宰する。
日本歌人クラブ会長。歌集に「雲の肖像」「千枚原」「富士百景」等多数。   



大岡 信 碑
   大岡 信

   地表面の七割は水
   人体の七割も水
   われわれの最も深い感情も思想も
   水が感じ
      水が考えてゐるにちがいない
          1989年「故郷の水へのメッセージ」より

  


平山源太郎 碑
                 平井源太郎

         富士の白雪
                朝日に溶けて
                        三島女臈衆の化粧水

              農兵節を宣伝し三島の名を全国に広めた


  
宗祇  碑

    宗祇    

  すむ水の
       清きをうつす
             我が心






正岡子規 碑
                   正岡子規            

           三島の町に入れば
           小川に菜を洗ふ女のさまも
           やや なまめきて見ゆ

                  面白や
                       どの橋からも
                                秋の不二


十返舎一九 碑
                    十返舎一九

        日も暮れに近づき、入り相の鐘かすかに響き、
        鳥もねぐらに帰りがけの駄賃馬追ったて、
        とまりを急ぐ馬子唄のなまけたるは、
        布袋腹の淋しくなりたる故にやあらん。
        このとき、ようやく三島の宿へつくと、
            両側よりよびたつる女の声々・・・・・・
       女 「お泊りなさいませ、お泊りなさいませ」
      弥次 「エエ、ひっぱるな、ここを放したら泊まるべい」
       女 「すんなら、サァ、お泊り」
      弥次 「あかんべい」
  ・・・・・・喜多 「いい加減に、此所へ泊まるか」
       女 「サァ、お入りなさいませ、お湯をお召しなさりませ」
      弥次 「ドレ、お先に参ろう」・・・・・・とはだかになり、かけだす。
       女 「モシ、そこは雪隠(せっちん)でござります、 こっちへ・・・・・・」
      弥次 「ホイ、それは」と湯殿へゆく。
                         東海道中膝栗毛  享和二年(1802年)

若山牧水 碑
                    若山牧水

           宿はずれを清らかな川が流れ、
           其処の橋から富士がよく見えた。
           沼津の自分の家からだと
           その前山の愛鷹山が
           富士の半ばを隠してゐるが、
           三島に来ると愛鷹はずっと左に寄って、
           富士のみがおほらかにあおがるるのであった。
           克明に晴れた朝空に。
           まったく眩いほどに その山の雪が輝いてゐた。
                            「箱根と富士」(大正九年)より

司馬遼太郎 碑
       司馬遼太郎

   この湧水というのが、
   なんともいえずおかしみがある、
   むかし富士が噴火してせりあがってゆくとき、
   溶岩流が奔って、今の三島の市域にまできて止り、
   冷えて岩盤になった。
   その後、岩盤がちょうど人体の血管のように
   そのすきまに多くの水脈をつくった。
                 融けた雪は山体に滲みいり、水脈に入り、
                はるかに地下をながれて、
                溶岩台地の最後の縁辺である三島にきて、
                その砂地に入ったときに顔を出して湧くのである。
                                  「裾野の水、三島一泊二日の記」より

窪田空穂 碑
        窪田空穂

   水底にしずく圓葉の清き藻を
       美し射る光のさやかに照らす
              歌集 「卓上」の灯」より





太宰 治 碑
                      太宰 治

          町中を水量たっぷりの澄んだ小川が
          それこそ蜘蛛の巣のやうに
          縦横無尽に残る隈なく駆けめぐり
          清冽の流水の底には
          水藻が青々と生えて居て
          家々の庭先を流れ縁の下をくぐり
          台所の岸をちゃぶちゃぶ洗ひ流れて
          三島の人は 台所に座ったままで
          清潔なお洗濯が出来るのでした。
                「老ハイデルベルヒ」

小出正吾 碑
                    小出正吾

          楽隊の音が聞こえてきた、
             ジンタ、ジンタ、ジンタッタ・・・・・・
          ジンタの楽隊がやってきたのだ!
          子どもたちは、小鹿のようにかけだした。
          ジンタの行進は、となりの町の沼津から
          三島の町へのりこんできた。
          はなばなしい旗やのぼりも先頭に、
          クラリネットに、コルネット、大太鼓、小太鼓という一隊で、
          ろって白い羽かざりのついた赤いぼうしをかぶっている。
          それが、町じゆうをゆすぶるようなおおきな音で、
          あのなつかしの曲「美しき天然」を
          演奏しながらくりこんできたのである。
                   「ジンタの音」より

穂積 忠 碑
        穂積 忠

    町中に 富士の地下水 湧きわきて
        冬あたたかに こむる水靄
          歌集「叢」より






井上 靖 碑
               井上 靖

            三島町へ行くと
            道の両側に店舗が立ちならび、
            町の中央に映画の常設館があって、
            その前には幡旗が何本かはためいていた。
            私たち山村の少年たちは、
            ひとかたまりになり、
            身を擦り合わせるようにくっつき合って、
            賑やかな通りを歩いた。
                      「少年」より
 
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